イノベーションのジレンマ(クレイトン・クリステンセン)
読書を仕事につなげる技術(山口周)
HarvardBusinessReview:2021年2月号, 組織のレジリエンス
随分と空いてしまった。当初はもっと頻度を上げて行きたかったのだが、転職して仕事もかなり忙しくなった他、プライベートもCOVID-19の関係でバタバタとしていた。
さて、2月号は「組織のレジリエンス」。面白かったのはまずアイリスオーヤマの大山さんよる「会社の目的は永遠に存続することである」。企業の平均寿命が縮まっている現代でこの言葉はむしろ重いように思う。先を見据えること、判断をシンプルかつ迅速に行うこと、うまくいく仕組みを作ること。シンプルで当たり前で、具体的な言葉が非常にわかりやすかった。
もう一つは「永続的に成長するレジリエント・カンパニーの条件」という記事で、この雑誌で読んだ中でも密度が濃い内容だった。特に成長し続けるポイントとして3つ、企業哲学とパーパス、価値創造、オーナーシップ・ガバナンス・組織を挙げていた点は納得が行った。また、日本企業群の組織健康度に関する記事は、いずれもよく上げられるテーマではあるものの、日本企業の不健康さを改めて思い知らされた。
最後に、面白かった記事として「組織のレジリエンスを高める方法」を挙げたい。エレベスト登頂チームの研究から導いたもので、一般的な企業はプロジェクトではなく純粋の話が面白かった。
「100分de名著」名作コレクション
実はまだ見たことがない「100分de名著」に興味が湧いて、本も出ているので読んでみようと思ったところ図書館でこんな本があったので借りてみた。
ここで登場するのは全部で32冊。2011年〜2016年の作品で、恥ずかしながら読んだことがない本ばかり。どれもこれもタイトルや著者は知っている有名作品で、簡単な解説、引用、こぼれ話で構成されている。「100分de名著」の紹介としては手軽でよく出来ているし、名作についてギュッと圧縮された解説になっていて、便利な一冊。一番印象に残ったのは後書きで、「難解な名著を切り込んでいく秘訣は「角度を持つこと」」という一文。プロデューサーの番組への姿勢、意気込みが感じられると共に、これは何も名著に、もっと言うと書籍に限った話ではなく、人との接し方にも言えることではないかと感じた。
さて、どれから取り組もうかな。
読書の技法(佐藤優)
ニュータイプの時代(山口周)
タイトルはちょっとどうかと思っていたのだが会社のセミナーで著者のプレゼンがあり面白そうだと思って購入した。
まずなるほどと思ったのは「ひたすらに『量的な向上』を目指せば、すでに過剰にあるモノを次々にゴミにしていくしかありません。」というメッセージ。こういう発想は自分にはなかったが、言われて見れば確かに世の中過剰のモノであふれているというのはそういう見方もできる。
社会のVUCA化の進行で挙げられている、経験の無価値化、予測の無価値化、最適化の無価値化というのも気になるキーワードだった。予測の無価値化には計画についても計画的な行き当たりばったりの推奨がされており、まさに経験と計画と最適化が重要視されるシステム開発では改めて肝に銘じる必要がある。
もう一点、確かになぁと思ったのが、リベラルアーツの重要性。これは書店を言ってみればビジネス書としてアートや哲学に触れている本が増えていることでも感じているし、各企業で重要視されている「パーパス」なんかも企業として何をおくべきかは文系の知見が必要なのではないか、と思ったりする。
この本では触れられていないが、ちょっと気になった点が一つある。寿命の伸長(と仕事をしなければいけない期間の延長)と事業の短命化で複数回のキャリアチェンジを余儀なくされると結論づける一方、経験豊富な年長者に依存するリスクが何度が出てくる。これからますます長く働かなければいけなくなると言われている一方で経験で対処出来ない仕事が増えていくこれから、年齢を重ねた後は何を仕事としていくべきなのだろうか?
高齢化社会を急速に突き進む日本としては、世界に先駆けてニュータイプ時代に適したな高齢者の活用方法を紹介できると素晴らしいのだが・・・。
この本も最近のビジネス本の例にもれず、タイトルが非常にわかりやすく整理されていて目次だけを見ていても全体がよくわかる上、セクションごとにまとめがある。それぞれのまとめだけを読んでも理解できるように出来ているのだが、実は注釈もなかなかに面白い。聖書含め多岐に渡る出典に著者の博識ぶりが伺い知れるのはもちろん、本文には入れていないけど伝えたいメッセージもあり、中にはガンダムに出てくるキャラクターの紹介もあり、こういう遊び心も楽しめた。
世界一楽しい決算書の読み方 (大手町のランダムウォーカー)
一応会計システムに関わることが多かったので会計関連の書籍が目につくところにあるとついつい手に取ってしまうことがある。
まず、非常に分かりやすい。図解があり、シンプルで、色使いが分かりやすい。
実例が良い。例えばB/Sのバランスが2つ提示され、どちらがメルカリでどちらがブックオフか?というようなクイズが出てくる。
そして説明の文章も簡潔で、一つ一つのクイズは説明含めても数ページ程度。
B/S、P/L、C/Sについて、難しい専門用語は最小限に、仕組みを理解するのにはもってこいの一冊。