HarrisonOak’s diary

76年生まれ、妻と息子、娘と犬の五人暮らし。IT系(SAP)の仕事をしている。趣味はギター、マンドリン合奏。

タテ社会の人間関係(中根千枝)

会社で読書会に参加することになり、Amazonで古本を400円で購入。今更ながらなんて便利な時代!中根千枝氏の1967年の書籍で「タテ社会」という言葉を広めることになった有名な本なのだが、恥ずかしながら初めて知りました。

 

まず日本人はスキルや技術、職能ではなく、地域だったり所属する組織だったりという「場」に強い帰属意識を持っているというところから始まる。だからこそ会社も丸抱えになり、逆によそ者への対応は冷たいものになり、「場」からの離脱を伴う転職はハードルが高いというのも非常に納得がいく。

タイトルにも使われている「タテ」組織の観点も今更ながら目から鱗だ。「タテ」が強いが故の年功序列というのはどこでも見かける話だが、そのためのに「ヨコ」が弱い、あるいは対立が生まれているのは、改めて考えさせられた。

 

 

僕は帰国子女なのだけれど、一時帰国した時、久しぶりに会った友達がすごくよそよそしかったこと、そして僕の態度が(今でも何が悪かったのか分からないのだけど)再開した友人と先輩(本来だったら僕の先輩だったかもしれない人)から後で「あいつはなんだ!?」と文句を言われていたらしいことを、思い出した。当時の中学生の僕は僕なりに接したつもりだったのだけれど、日本語を喋っていたとしても日本人社会に馴染めていなかったのではないか?そのヒントがこの本にあるような気がした。

 

最近はビジネス書ばかり読んでいたのだけれど、ああいうものはどうしても日本的すぎるか西洋的すぎていて、こういう視点も大事だな、と思った。どうしたか?もちろん、中根氏の書籍をぽちぽちとWebで購入しました。