HarrisonOak’s diary

76年生まれ、妻と息子、娘と犬の五人暮らし。IT系(SAP)の仕事をしている。趣味はギター、マンドリン合奏。

イノベーションのジレンマ(クレイトン・クリステンセン)

この本のことはもちろん以前から知っていたが、つい今更の感じがして読んでこなかった。
これは失敗だった!この本のエッセンスはあちこちで引用されているしググればいくらでも情報は出てくるが、この本の真髄は解説でにある通り「自宅で読めるハーバードビジネススクールの精髄」であるということだと思う。要旨が序章とまとめに非常に分かりやすく書いてあり、全てのビジネスマンが全部は読めなくとも最初と最後だけは読むべきだと強く感じた。やはり、名著は避けてはいけない。様々な本がこの本を引用しているのがよくわかかるし、この本を読んでから、過去に読んだ本を確かめねば。特に「ゾーンマネジメント」はKindleヒアリング中心としたため、もう一度確認しておきたい。
 
「偉大な企業はすべてを正しく行うが故に失敗する」。有名なこのフレーズを、原点を読んで初めてより実感した。
 
以下、備忘として原則を抜粋しておく。
1)企業は顧客と投資家に資源を依存している
2)小規模な市場では大企業の成長ニーズを解決できない
3)存在しない市場は分析できない
4)組織の能力は無能力の決定要因になる
5)技術の供給は需要と等しいとは限らない
 
破壊的技術の特徴
1)単純、低価格、性能が低い。一般的に利益率も低い。便利、ということもある
2)現在の主流顧客が最も重視する特性について従来の技術の性能を下回る
3)性能の供給過剰により重視するポイントがシフトする
4)自律的組織が必要となる。また、新しいプロセスを必要とするケースがある

読書を仕事につなげる技術(山口周)

仕事が忙しくなっていたのもあるが、随分とブログをサボってしまった。。。読書も、少しサボっていた。こういう時は他もダメで、運動なんかもサボっていた。
さて、久しぶりのブログは山口氏の「読書を仕事につなげる技術」。「ニュータイプの時代」が読みやすく面白かったので、気がついたら山口氏の本を続けて何冊か買っていた。読書系の本は佐藤優氏や池上彰氏、斉藤学氏の本なども読んだ。どれも共通しているのはいかに効率的に読むか、ということ。目次から読む。最初と最後、ポイントを拾って読む。また、読むのは基本的には紙で、電子本は補助的な役割。読む時には書き込む。読む時間を設けて集中的に読む。アウトプットする。
この手の本には大抵おすすめ本の紹介があり、どの本にも出てくるようなものもあれば、こんなものも入っているんだ、という発見もあったりする。山口氏の特徴は「ビジネス書マンダラ」という紹介の仕方で、中心に最重要の本があり、階層で段階が分かれている。残念ながらまだまだ全部を読みたい私は通読してしまったが、この本も氏の紹介している読み方でよく、ポイントは最初にあるまんだらと「読書を仕事につなげる技術」としての本棚の扱いやアウトプットの仕方、後は目次で良い気がする。例えば読み方のテクニックとして「2割だけ」とか「ベストセラーは読まない」などは目次から拾える。ただ、おすすめのカテゴリーについては本文にしか記載されていないため、目を通した方が良いかもしれない。ちなみに氏のおすすめは:哲学、歴史、心理学、医学・生理学・脳科学、光学、生物学、文化人類学。美術系は入らないんだ、とか、物理学も入れてもいいのでは、と個人的には思ったりした。また、唯一紙で保持しているのがMASTERキートンとあって、久しぶりに読みたくなってしまった。
 

HarvardBusinessReview:2021年2月号, 組織のレジリエンス

随分と空いてしまった。当初はもっと頻度を上げて行きたかったのだが、転職して仕事もかなり忙しくなった他、プライベートもCOVID-19の関係でバタバタとしていた。

さて、2月号は「組織のレジリエンス」。面白かったのはまずアイリスオーヤマの大山さんよる「会社の目的は永遠に存続することである」。企業の平均寿命が縮まっている現代でこの言葉はむしろ重いように思う。先を見据えること、判断をシンプルかつ迅速に行うこと、うまくいく仕組みを作ること。シンプルで当たり前で、具体的な言葉が非常にわかりやすかった。

もう一つは「永続的に成長するレジリエント・カンパニーの条件」という記事で、この雑誌で読んだ中でも密度が濃い内容だった。特に成長し続けるポイントとして3つ、企業哲学とパーパス、価値創造、オーナーシップ・ガバナンス・組織を挙げていた点は納得が行った。また、日本企業群の組織健康度に関する記事は、いずれもよく上げられるテーマではあるものの、日本企業の不健康さを改めて思い知らされた。

最後に、面白かった記事として「組織のレジリエンスを高める方法」を挙げたい。エレベスト登頂チームの研究から導いたもので、一般的な企業はプロジェクトではなく純粋の話が面白かった。

 

「100分de名著」名作コレクション

実はまだ見たことがない「100分de名著」に興味が湧いて、本も出ているので読んでみようと思ったところ図書館でこんな本があったので借りてみた。

ここで登場するのは全部で32冊。2011年〜2016年の作品で、恥ずかしながら読んだことがない本ばかり。どれもこれもタイトルや著者は知っている有名作品で、簡単な解説、引用、こぼれ話で構成されている。「100分de名著」の紹介としては手軽でよく出来ているし、名作についてギュッと圧縮された解説になっていて、便利な一冊。一番印象に残ったのは後書きで、「難解な名著を切り込んでいく秘訣は「角度を持つこと」」という一文。プロデューサーの番組への姿勢、意気込みが感じられると共に、これは何も名著に、もっと言うと書籍に限った話ではなく、人との接し方にも言えることではないかと感じた。

さて、どれから取り組もうかな。

読書の技法(佐藤優)

この本は著者と池上彰の対談本で触れられていて購入した。著者は5分の超速読術と30分の速読術を使い分けているというところもそうだが、対談本での凄まじい読書量に圧倒され、そういう著者の読書術というのはどういうものだろうと思い手にとった。
 
ともかく数字に圧倒される。月平均300冊で多い時は500冊、蔵書は4万冊、1日に最低でも読書に4時間、平均6時間を割く。対談本では池上彰が確か修行僧のようと表現していたとおもうが、にわかには信じられないし、自分では到底無理だと思ってしまう。
 
著者の主張でまず頷いたのは、人間の圧倒的な制約は時間、ということ。10代20代では考えもしなかったが、40を超えてくると深く実感をする。そしてなんであんなにも勉強をしなかったのか、学生時代の膨大な無駄時間が本当に悔やまれる。
それから受験勉強は無駄ではない、という発想。著者は中学高校、大学受験のテキストを使っての勉強を推奨し、自ら実践している。大学受験の正しい勉強法まで書いてあり、実際にその勉強法で半年で社会の偏差値40の青年を見事に同志社大学に入学させている例は圧巻だ。
 
読書の技法以外には著者の1日の過ごし方や、巻頭のカラーで紹介されている著者のノートや本棚(まるで図書館!)は、予想外に面白かった。

ニュータイプの時代(山口周)

タイトルはちょっとどうかと思っていたのだが会社のセミナーで著者のプレゼンがあり面白そうだと思って購入した。

 

まずなるほどと思ったのは「ひたすらに『量的な向上』を目指せば、すでに過剰にあるモノを次々にゴミにしていくしかありません。」というメッセージ。こういう発想は自分にはなかったが、言われて見れば確かに世の中過剰のモノであふれているというのはそういう見方もできる。

 

社会のVUCA化の進行で挙げられている、経験の無価値化、予測の無価値化、最適化の無価値化というのも気になるキーワードだった。予測の無価値化には計画についても計画的な行き当たりばったりの推奨がされており、まさに経験と計画と最適化が重要視されるシステム開発では改めて肝に銘じる必要がある。

 

もう一点、確かになぁと思ったのが、リベラルアーツの重要性。これは書店を言ってみればビジネス書としてアートや哲学に触れている本が増えていることでも感じているし、各企業で重要視されている「パーパス」なんかも企業として何をおくべきかは文系の知見が必要なのではないか、と思ったりする。

 

この本では触れられていないが、ちょっと気になった点が一つある。寿命の伸長(と仕事をしなければいけない期間の延長)と事業の短命化で複数回のキャリアチェンジを余儀なくされると結論づける一方、経験豊富な年長者に依存するリスクが何度が出てくる。これからますます長く働かなければいけなくなると言われている一方で経験で対処出来ない仕事が増えていくこれから、年齢を重ねた後は何を仕事としていくべきなのだろうか?

高齢化社会を急速に突き進む日本としては、世界に先駆けてニュータイプ時代に適したな高齢者の活用方法を紹介できると素晴らしいのだが・・・。

 

この本も最近のビジネス本の例にもれず、タイトルが非常にわかりやすく整理されていて目次だけを見ていても全体がよくわかる上、セクションごとにまとめがある。それぞれのまとめだけを読んでも理解できるように出来ているのだが、実は注釈もなかなかに面白い。聖書含め多岐に渡る出典に著者の博識ぶりが伺い知れるのはもちろん、本文には入れていないけど伝えたいメッセージもあり、中にはガンダムに出てくるキャラクターの紹介もあり、こういう遊び心も楽しめた。

世界一楽しい決算書の読み方 (大手町のランダムウォーカー)

一応会計システムに関わることが多かったので会計関連の書籍が目につくところにあるとついつい手に取ってしまうことがある。

まず、非常に分かりやすい。図解があり、シンプルで、色使いが分かりやすい。

実例が良い。例えばB/Sのバランスが2つ提示され、どちらがメルカリでどちらがブックオフか?というようなクイズが出てくる。

そして説明の文章も簡潔で、一つ一つのクイズは説明含めても数ページ程度。

 

B/S、P/L、C/Sについて、難しい専門用語は最小限に、仕組みを理解するのにはもってこいの一冊。