HarrisonOak’s diary

76年生まれ、妻と息子、娘と犬の五人暮らし。IT系(SAP)の仕事をしている。趣味はギター、マンドリン合奏。

PK(伊坂幸太郎)

最近小説を読んでいないなぁ、と思ってどこかのテレビ番組で紹介されていた「逆ソクラテス」を買ってみた。ただ、電子書籍だったこともあったのかいまいちピンと来なかったので、他の伊坂幸太郎の作品を読んでみようと思って、とりあえず図書館で借りてきた。

 

タイトルは「PK」だが3つの作品になっていて、最初が「PK」、後は「超人」と「密使」。どれもエンターテイメントとして楽しめたけど、個人的には「密使」が一番面白かったかな?どれも複数の視点で行ったり来たりして最後に「ああなるほど」と持っていくスタイル。短編だからか、大どんでん返しがあるということではなく、起承転結の承と転がグラデーションになっている。SFというよりSFテイストという印象で、すごく複雑な設定を使っている訳ではないので軽いノリで楽しめる。その中でも「密使」はタイムトラベルの扱い方がオーソドックスながらタイトルにもなっている密使に意外な生き物を使っていて、2人の主人公が全く別々の物語を歩いていながら最後に一瞬交差するところが、そこで他の作品からのちょっとした借用があり、個人的には面白かった。

 

「逆ソクラテス」も短編の集合だし、行ったきたりで展開していくストーリーステリングは同じ流れだけど、「PK」的なのが著者の王道パターンなのかな、と感じた。後悔は順番を間違っていて、こっちを先に読んでから「逆ソクラテス」を読むべきだった。ま、まだ途中なのでこの後読み終えるのと、他の代表作も読んでみないと。