HarvardBusinessReview:August, 気候変動/不安とともに生きる[1]
今週のトピックは気候変動だが、予想通りパンデミック関連もあった。今回前半で個人的に面白かったのはこの「人類の進歩が招いた人類の危機」。
生物多様性や気候変動と同様に、新型コロナ問題も根っこは「人間活動による過剰な搾取」と主張する。そもそも生態系のピラミッドで高次消費者である人類は本来は500万から1000万頭が限界と見積もられているそうで、大雑把にしても77億という現在の人数は明らかに過剰で、過剰な人口を支えるために過剰なエネルギーの消費を招いている。
著者の解決の方向性で出しているのは都市部集中やグローバル社会からの脱却で、地方ごとに分散して自律型・循環型社会を構築するというもの。確かにテレワークなどを駆使してできそうだけれど、一方でそもそも生態系のピラミッドが歪であることの解決策にはなっていないと感じる。
じゃあどうするのか?
冗談じゃなくて、やはり地球にいるのは難しくて宇宙に進出していく必要があるのではないか、と思ったりした。あるいは、日本人は少子化で人数が減っていくけれど、それはそれで前向きに捉えてより環境に適応できる、という考え方もできるのでは?なんかも考えたりした。
「新しい生活様式」「ニューノーマル」という言葉が飛び交っているけれど、結局は旧来の価値観、旧来の社会構造を無理やり適応しようとしているだけのように感じる。少なくとも今とのところは。これは、変化の始まりであって、ここからどう変わっていくのか、どう変わっていくべきかということを多角的に真剣に議論を突き詰めていく必要がきっとある。
目次(〜p83)