HarrisonOak’s diary

76年生まれ、妻と息子、娘と犬の五人暮らし。IT系(SAP)の仕事をしている。趣味はギター、マンドリン合奏。

統計学が最強の学問である

最近のコロナ騒動で何でもっと統計学が話題にならないのだろう?と不思議に思っていたところ、そう言えば気になっていて読んでいなかったこの本をAmazonでポチッと購入してみた。当時買おうと思ったらランキングの高いところにいて、何とな敬遠してしまいそのままにしていた。

表紙を見ると「10万人の命を賭けられる唯一の本」と題され、「社会調査法」「疫学・生物統計学」「心理統計学」「データマイニング」「テキストマイニング」「計量経済学」を扱っているとある。 ビッグデータやA/Bテスト、ニューラルネットワークの話題なんかもあり、2013年の本だけれど改めて手に取る価値は十分にあると思う。

 

 

中身はもちろん数式も出てくれば分かりやすい図表もあり、読み応えがあるのだが、一番面白かったのは冒頭でHGウェルズが、1903年に、将来統計学的思考が必須能力になる日が来ると予言した、という文章だ。

120年も前にそういうことが書かれているが、現実はまだウェルズに届いておらず、思い込みだけでの推論でこうするべきだああするべきだ、という議論で満ち溢れている。コロナ騒動は本当に驚いた。日々の感染者に一喜一憂するのもおかしいし、結局リスクが現実化しなかったのだからか、緊急事態宣言が不要だったというのも議論の飛躍があると思う。せっかく人類はツールを作る上げてきているのに、使えていない場面が多いと感じる。

 

じゃあいつか統計学的思考が必須能力になる日がくるのか?

今はすでに統計学的思考は必須の時代だと思う。一つには、ビッグデータを手軽に扱えるようになってきて、勘ではなく数字の分析で戦略を練る時代になっている。今起きているのは、統計学的思考の意識している人と、意識していない人ではないか。そして、こういう知の格差はどんどん広がっていっていると思う。AIの登場で仕事が変わっていくけれど、その変化はこの格差を広げていくと思う。

 

そう言えばこの本、漫画も出ているらしい。ドラッカーなんかは漫画にしていいけど、これはどうなんだろう?ただ、個人的には、統計学は一部の人が知っていれば良い学問ではなくなりつつあるので、今後の教育でもっとフォーカスした方がいいと思う。少なくとも政治家の方々には必須の学問なのではないだろうか。